昼の2時前に男1人、女2人でラブホテルに入った3人。
しかも1組は夫婦らしき男女である。
とりあえず、張り込みを続行しているのであるがこの様なケースは初めてである。
通常の浮気調査同様に出てくる3人を写真や映像に収めるしかない。
相棒も黙ったまま張り込みをそのまま続行している。
駅近くのラブホテルといっても秩父にほど近い田舎町であり、まして裏通り沿いにある。
幸いな事に遠目からでも出入りは確認できる。
通常、浮気調査ではラブホテルに入れば浮気と認められ、確実な証拠となるのであるがこの様なケースではどうなのだろう。
いろいろ考えるが探偵の馬鹿な頭では考えが就かない。
空いた早々に顧問弁護士に相談してみることとし張り込みに没頭しようとするがエッチな事が頭を過ぎる。
男女が夫婦だとしても2対1でしているのだろうか。
いわゆる「三輪車」「ウグイスの谷渡り」?????
多分、第1日目、第2日目に確認した都内のシティホテルでも同じような事をしていたのだと思い、あさはかだったと後悔をしている自分がいる。
そんなことも考えつつラブホテルに入ってから4時間ほど経った6時前に3人が出てきた。
日は落ちかけているがまだ明るさは残っていてバッチリ写真やビデオに撮影する。
そして3人で電車に乗り、楽しそうに談笑しながら池袋に向かった。
とても3人がラブホテルで過ごしていたとは思えない。
池袋に着いた3人は改札を出た後に対象者は別れ、別々の行動、既に夫婦らしき2人については居住地を押さえているので対象者をそのまま尾行するが途中で買い物をしたものの帰宅してしまった。
翌日、早速、弁護士に相談してみるとやはりこのラブホテルだけの証拠では弱いという。
誰かが気分が悪くなり、たまたま近くあったラブホテルに入り、残った2人で介抱していたと言われると反論が厳しいと言うのである。
もう1度、ラブホテルでの行為が捕まえられれば、偶然も続かず3人の特殊な性癖を含め浮気という不貞行為の証拠として戦える事ができるというのである。
依頼者に昨日の結果を報告のために連絡するとラブホテルに入った事には驚き、浮気の証拠はバッチリですね。とも聞かれた。
ラブホテルの出入りの写真や映像はバッチリですよと答えたがこちらの弁護士との話を伝えると黙ってしまった。
また、浮気調査をお願いするかもしれないが一応、これまでの報告書を渡して欲しいとの事で電話を切り、作製に入る。
しばらくすると依頼者から電話が入った。
どうやら知り合いの弁護士に話をしたみたいであるがこちらの弁護士と同じ小ような事を指摘されたみたいである。
ただラブホテルにはそう何度も行くとは思えないのでどうしたら良いかとの事である。
「依頼者の知り合いの弁護士さんも交えて近々相談しましょう。報告書はまとめておきます。」と、伝えて電話を切った。