探偵が嫌がる行動とは

探偵が嫌がる行動とは②

探偵業務は、調査対象者の行動や動向を追跡し、証拠を収集することが主な目的です。これには高度な技術と繊細な配慮が必要であり、特定の行動や状況が調査の成功を難しくする場合があります。以下では、探偵が特に嫌がる行動や状況について詳しく解説します。

1. エレベーターの利用

エレベーターは探偵にとって非常に厄介な環境です。エレベーターの密室性は、尾行や調査の難易度を大幅に引き上げます。以下のような理由から、エレベーターの利用は探偵にとって問題となります。

• 密室空間での尾行: エレベーター内は狭く、探偵と調査対象者が非常に近い距離になります。このため、探偵が調査対象者に気づかれるリスクが高まります。調査対象者がエレベーターに乗ると、探偵も同乗しなければならず、周囲に気づかれることなく調査を続けるのは非常に難しくなります。

• 混雑による難易度の上昇: エレベーターが混雑している場合、探偵は一緒に乗り込むことができないことがあります。この状況では、調査対象者がどの階で降りたのかが把握できず、調査が困難になります。結果として、探偵は全ての階を探し回る羽目になり、効率的な調査が難しくなります。

• 複数回の同乗: 調査対象者がエレベーターを頻繁に利用する場合、探偵はその度にエレベーターに乗り込まなければならず、調査対象者との接触が増えます。このような状況が繰り返されると、探偵の負担が大きくなり、調査の成功率が低下する可能性があります。

2. 大型商業施設での尾行

都会の大型商業施設は、探偵にとって特に厄介な場所です。以下の理由で、大型商業施設での尾行は難易度が高くなります。

• 施設内の複雑さ: 大型商業施設では、複数の階や複数の出入口があり、施設内での移動が非常に複雑です。調査対象者がこのような施設内に入ると、探偵はすべての出入口や階を把握し、調査対象者の動きを追い続ける必要があります。この複雑さが、尾行の難易度を大幅に上げます。

• 公共交通機関との連絡: 多くの大型商業施設は、地下鉄や鉄道などの公共交通機関と連絡しています。このため、調査対象者が公共交通機関を利用する場合、探偵は施設と公共交通機関の両方で調査を行う必要があり、調査の範囲が広がるため、より多くのリソースと時間が必要になります。

3. 交通法規の遵守しない運転

調査対象者が交通法規を無視する運転行動を取る場合、探偵の調査は非常に困難になります。以下の点が問題となります。

• 信号無視: 対象者が信号無視をする場合、探偵も同様に信号無視をすることがあります。しかし、これは違法行為であり、交通違反のリスクが伴います。また、信号無視をすることで、調査対象者を見失う可能性が高くなります。

• 急なUターンや混雑: 対象者が急にUターンをしたり、混雑する道路を走行する場合、探偵の尾行は困難になります。特に狭い道や混雑した場所では、探偵が目立ってしまう可能性があり、尾行が難しくなります。

4. プライバシーの侵害に関する法律

探偵業には、プライバシーの侵害に関する法律が厳格に適用されています。以下のような行動は違法とされています。

• 無断でのGPS発信器の装着: 第三者の車両に無断でGPS発信器を取り付けることは、プライバシーの侵害や住居侵入の罪に該当する可能性があります。これにより、調査対象者の行動を把握することが難しくなります。

• 恋人や元配偶者へのGPS装着: 恋人や元配偶者の車両にGPS発信器を取り付ける行為も、プライバシーの侵害として違法とされる場合があります。調査の目的であっても、法的に許可されていない手段を使用することはできません。

エレベーター編

探偵にとって、エレベーターを利用する対象者の調査は特に困難な状況を生むことがあります。都市部では百貨店や大型商業施設だけでなく、駅や公共施設などもエレベーターを備えていることが多くなっています。これにより、エレベーターという密室空間での尾行が一般的になっています。

エレベーター内は非常に狭く、閉ざされた空間であるため、調査対象者がエレベーターを利用する場合、探偵も同じエレベーターに乗り込む必要があります。この密室での調査は、対象者に気付かれないようにするのが非常に難しいため、探偵にとって大きなストレスとなります。

特に、エレベーターが混雑している場合や、他の利用者がいる場合は、探偵の存在が目立ちやすくなり、対象者に疑念を抱かれるリスクが高まります。エレベーターの利用は、調査の精度を保ちながらも、巧妙に対応する必要があり、探偵の技術と経験が試される場面です。

また、エレベーターの利用は、対象者が複数階にわたる施設内を移動する際にも発生するため、尾行の連続性や成功率に影響を及ぼします。エレベーターを利用する対象者を追尾する際には、注意深く行動し、細心の注意を払う必要があります。このような状況に対応するためには、探偵は様々な戦略を持ち、状況に応じた柔軟な対応が求められます。

規模の小さな商業施設では、エレベーターを利用する必要がなく、単に施設の1階出入口を押さえておけば調査は比較的容易です。しかし、都会にある大型商業施設では、状況は大きく異なります。

大型商業施設には、1階だけでなく複数の出入口が存在することが一般的です。例えば、商業施設の正面に加え、地下階や別の街区、隣接するビルと連結された出入口など、いくつもの入り口があります。これらの出入口をすべて把握し、適切に対応することは非常に困難です。

さらに、これらの施設は多層階で構成されており、エレベーターを利用することで簡単に別の階に移動できるため、尾行が複雑化します。一部の商業施設では、2階や3階以上の階層が隣接するビルやオフィスビルと連結していることも多く、ビル間の移動が可能です。このような複雑な構造は、調査対象者の動きを把握するのをさらに難しくします。

加えて、これらの大型施設は公共交通機関と直結している場合も少なくありません。地下鉄、JR、私鉄などの公共交通機関と接続されていることが多く、これによって調査対象者が移動する際の選択肢が広がります。公共交通機関を利用することで、調査対象者は迅速に他の地域に移動することができ、尾行の難易度が増します。

このような施設での調査では、エレベーターの利用だけでなく、複数の出入口、階層の移動、そして公共交通機関の利用といった複合的な要素が絡むため、探偵は緻密な計画と柔軟な対応が求められます。

調査対象者が大型商業施設に入り、エレベーターを利用する場合、探偵はそのエレベーターに一緒に乗り込まざるを得ません。エレベーターは限られた空間であり、その密室環境において調査対象者の動きを把握するのは難易度が高いです。

エレベーターの内部は狭く、限られた人数しか収容できません。対象者を含む数人がエレベーターに乗り込むと、探偵もその中に混じって乗らなければなりません。密閉された空間では、周囲に気を配りながらも自然に振る舞う必要があります。この狭い空間での尾行は、調査対象者に気づかれるリスクが高くなります。

さらに、エレベーターの内部は状況に応じて様々な変化があります。例えば、急に他の人が乗り込んできたり、エレベーターが複数の階を通過する間に対象者が移動する場所が変わったりすることがあります。このような状況では、探偵がどこに向かうのか、どの階で降りるのかを把握することが非常に難しくなる可能性があります。

このような複雑な環境で調査を続けるためには、探偵は細心の注意を払いながら、自然な振る舞いを心がけると同時に、迅速かつ正確に状況を把握する必要があります。エレベーターという狭い空間での尾行は、調査の成功に向けての大きな挑戦となるのです。

調査対象者がエレベーターに一人で乗り込む場合でも、探偵は同じエレベーターに乗り込まなければなりません。その状況が繰り返されると、例えば3回や4回続くと想像してみてください。エレベーターに最初に乗り込むのは調査対象者です。その後、エレベーターが各階のボタンを押し、ほとんどの人が立ち止まり、正面を向いて待っている中に探偵も加わります。このようなシチュエーションは、調査対象者と直接対面することになり、非常に緊張感が高いものです。考えただけでも「ゾッ」とする光景で、相手に気づかれる危険性も高まります。

さらに、調査対象者が混雑したエレベーターに乗り込み、エレベーターが満員になると、探偵はそのエレベーターには乗り込むことができません。こうなると、調査対象者がどの階で降りたのかを知る手段がなく、探偵はその後、全ての階を探し回らなければならなくなります。この場合、調査対象者の動きが予測できないため、確認と発見に至るのは運次第となり、調査の成功が大きく左右されることになります。

エレベーター内での尾行は、狭い空間での監視が求められるため、特に高度な注意力と巧妙な対応が必要です。探偵にとっては、調査対象者との距離感を維持しながらも、状況をしっかりと把握するための緊張感とプレッシャーが常につきまとうのです。

ひとつのシチュエーションを紹介しましょう。一緒に考えてみて下さい。

ある調査対象者が都心郊外の自宅から歩いて出てきました。
近くのバス停からバスに乗り込み、探偵も続きます。
ある私鉄の駅前でバスを降り、駅ビルに入り、エレベーターに乗り込みました。
このエレベーターは２階には私鉄の駅の改札階と繋がり、７階建ての施設です。
探偵の一緒に乗り込みました。
調査対象者は４階で降り、婦人服売り場を見て歩いています。
買い物をしてまたエレベーターに乗り込みました。
当然、探偵も一緒に乗り込みます。
すると今度は２階で降り、私鉄の駅に入りました。
電車に乗り、都心に向かいます。
そして都会のターミナル駅にて降りました。
地下改札を抜け、駅と隣接する百貨店に入り、地下からエレベーターに乗り込みます。
当然、探偵も一緒に乗り込みます。
３階の婦人服売り場を見て歩き、エスカレーターで４階に移動、今度は紳士服雑貨を見て回ります。
すると４階からエレベーターに乗り、１階に降ります。
当然、探偵も乗り込み、続きます。
１階で降り、百貨店を出てから隣接する大型商業施設の前で人待ち。
すると浮気相手らしき異性と合流。
そして２人でその大型施設に入り、エレベーターに乗ります。
探偵も続くしかありません。
すると９階のレストランフロアで降り、あるイタリアンレストランに入りました。
約１時間後にそのレストランを出た２人は再びエレベーターに。
やはり探偵も同乗します。
これまで調査対象者とは６回もエレベーターで同乗しています。
そして１階で降り、少し離れたラブホテル街へ歩いて行き、ホテルに入ったのですがいかがでしょう。
都会ではこのように何度もエレベーターに同乗する事など決して珍しい事ではないのです。

探偵業務において、尾行調査を成功させるためには、通常、複数人でのチーム体制が不可欠です。一般的には、最低でも2人以上の探偵がチームを組んで調査を実施します。特にエレベーター内での尾行などの状況では、複数人のチームで対応することが求められます。たとえば、2人のチームであれば、それぞれが調査対象者と3回ずつエレベーターに同乗することになります。3人のチームであれば、1人あたり2回の同乗で済む計算になります。このように複数の探偵が交替で同乗することで、尾行のリスクを軽減し、調査の精度を高めることが可能です。

しかし、どれだけチームを組んでいても、調査対象者が少しでも警戒心を持っている場合、尾行は非常に難しくなります。調査対象者が警戒心を強めると、探偵が気づかれるリスクが高まり、調査が困難になる可能性があります。特に1人で尾行を行う場合、対象者に気づかれてしまうリスクが大きく、調査が失敗する可能性が高いのです。

したがって、探偵が1人で尾行を実施するのは非常に難しい状況であり、複数人でのチーム体制が不可欠です。チームでの協力により、調査対象者に気づかれるリスクを最小限に抑え、精度の高い調査を実施することができるのです。

探偵にとって、エレベーターという密室空間での調査は、多くの理由から非常に厄介で困難なものとなることがあります。エレベーターは通常、限られた空間に複数人が集まるため、尾行や調査対象者の動きを把握する際に、いくつかの問題が発生しやすくなります。

まず、エレベーター内の密室性が問題です。調査対象者がエレベーターに乗り込むと、探偵も同様にエレベーターに乗り込まざるを得ません。狭い空間において、調査対象者と探偵が接近することで、調査対象者に気づかれるリスクが大きくなります。このため、探偵は慎重に行動しなければならず、場合によっては調査対象者に不審に思われる可能性もあります。

さらに、エレベーターの利用回数が多くなると、探偵の負担は増大します。調査対象者が頻繁にエレベーターを利用する場合、探偵はその度に密室空間に入らなければならず、同乗する回数が増えることで調査の精度が落ちる可能性があります。特に、エレベーター内での調査対象者の行動を把握するのは、他の状況に比べて困難であることが多いのです。

また、エレベーターが混雑している場合、探偵が同乗できないこともあります。満員のエレベーターに乗り込むことができない場合、探偵は調査対象者がどの階で降りたのかを把握できず、調査の追跡が難しくなります。これにより、調査対象者の動きを見失ってしまうリスクが高まります。

以上のように、エレベーターという密室空間での調査は、探偵にとって非常に難易度が高く、注意深い対応が求められるため、調査対象者の行動が多く利用される場合には、特に注意が必要です。